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誰でもなれること≠お金を稼げること

前ページで、フリーランスは誰でも始めることができるとお話ししました。加えてもう一点、それと同じ位知っておいていただきたい、大切なことがあります。

それは、フリーランスWebデザイナーは誰でもなれるということと、お金を稼げるということは全く別だということです。フリーランスを始める前には、その事実を考慮して資金計画をたてる必要があります。

仕事がなければ収入もゼロ!

フリーランスの世界は、ビジネスの世界です。ビジネスの世界は、当然のことですが激しい競争があります。競争に勝ち、仕事を多く獲得できる人はより多くの収入を得ますが、競争に負け、仕事をほとんど獲得できない人はたいした収入が得られません。それどころか、もし一度も仕事が取れなければ、「収入ゼロ」ということさえありえます。

フリーランスになるということ自体は、何度もお話ししている通り簡単です。しかし、収入を得るため競争に勝つこと、つまり見込み客に選んでもらえるフリーランスになることは、そう簡単ではありません。

誰もが簡単に仕事を獲得できるくらいなら、みんなフリーランスで大成功してしまいます。よく考えれば当然のことなのですが、このことはきちんと認識しておく必要があります。

ネットならでは!競争相手は日本中!?

他者との競争に勝ち、クライアントから選ばれなければ収入にはつながらないわけですが、ところでその競争相手は、誰になるかお分かりでしょうか。

一番の競争相手は、地理的に自分の周辺で営業しているWeb制作業者(会社・フリーランス含む)です。しかし、ネットでの集客が大部分なのがWeb業界。同じ市区はもちろん、同じ県の業者も競争相手となるでしょう。

さらに言えば、全国対応のWeb制作業者も多いので、日本中のWeb制作業者と競争するとも言えます。

もちろん、見込み客とWeb制作業者の地理的な距離が離れれば離れる程、実質的な競争力は下がるので、単純に日本中とはいきません。しかし、それでも競争相手が多いことだけは事実です。

お金を稼ぐには、これらの数あるWeb制作業者の中から、ピンポイントで見込み客に選んでもらう必要があります。そう考えると、なかなか容易ではないことは想像いただけるのではないでしょうか。

最初からお金を稼ぐのは至難の業!?

Web系のフリーランスという働き方は、特に最初の1~2年はなかなか儲からないと思っておいた方がいいでしょう。

もちろん、中にはうまく軌道に乗せられる人もいるとは思います。しかし、物事は悪いことを想定しておいた方が無難です(そういうリスク計算は、ビジネスをする人にとっては必須です)。

なぜ最初はなかなか儲からないのかと言えば、以下のような理由があるからです。

理由1-集客の要は営業用Webサイトだから

フリーランス活動をする上で、集客の要となるのは、自身の営業用Webサイトです。リアルで広告するわけでなければ、また、仕事発注サイトを利用するので無ければ、新規顧客を獲得するのはほとんどここからだと言ってもいいでしょう。したがって、営業用Webサイトは見込み客を集めるため、多くのアクセスを集めなければなりません。

しかしサイトを公開したことがある方はご存じだと思いますが、10ページや20ページ程度の小さなサイトを作っても、なかなかアクセスは集まりません。また、アクセスを集めるには、他サイトからのリンク(被リンク数)も重要なのですが、それも作ったばかりのサイトは不利です。特に他サイトからのリンクが全くの0であれば、最初の1ヶ月のアクセスが0、数ヶ月たっても1日10~20人なんてことも不思議ではありません。これでは、なかなか問い合わせは来ないでしょう。

アクセスを集めるには、優良なページを増やしていき、他サイトからのリンクを多く集めることが重要です。それは当然一朝一夕にはいきませんから、長年かけてじっくり少しずつ育てていく必要があります。したがって、最初から営業用サイトで見込み客をたくさん獲得するのは難しいのです。

理由2-実績がないから

初めてのネットショップで何か注文するとき、「この会社は大丈夫かな」等と検討しながらお店選びをした経験はありませんか?特に高額商品を注文するときは失敗したくありませんから、より慎重になるはずです。他の購入者のレビューを見たり、クチコミを見たりしてお店を決めるという方も多いかもしれません。

それと同様、見込み客も、Webコンテンツという非常に大きな買い物の際には、Web制作業者選びに慎重です。とは言っても、ネットショップと違ってレビューやクチコミの情報は少ないですから、知り得る限りの情報を見て、総合的に判断しています。

その一つが、営業用Webサイトの品質です。そのサイトが良ければ、自分に作ってくれるサイトもきっと良いものになると予想されるからです。そしてもう一つが、過去の制作実績です。サイト上に豊富な実績があれば、「過去にこんなサイトを作っているのか」ということが確認できて安心できますし、クオリティも分かります。

しかし、フリーランスになりたての人は、個人での実績がほとんど無いか、または全く無いという方も多いと思います。こうなると、他の実績豊富な制作会社・フリーランスと比べると、どうしても不利です。フリーランス活動を続けて、地道に実績を増やしていくより他ありませんが、こちらも一朝一夕にはいかないので、最初は耐えるしかないのです。

理由3-フリーランスの営業ノウハウが無いから

やり方一つで、営業用Webサイトのコンバージョン(問い合わせなど)が増えたり、打合せの際の立ち居振る舞いで契約が決まったり、営業トークのコツがあったりと、ビジネスの現場では成約を増やすための営業ノウハウが多数存在します。それらを実体験で経験していないうちは、やはりどうしても経験豊富なフリーランスのようにはいきません。

「そのようなことも、このサイトで教えてくれないの?」と思われるかもしれませんが、たしかに今後そういった部分も書いていきたいとは思っています。しかし、文を読むのと実際にやるのとでは違います。いずれにしても、実体験として落とし込むにはそれなりの時間がかかるでしょう。

ですので、こちらも地道に、長年かけてスキルを伸ばしていくより他ありません。

現実は、最初からフリーランス一本でやっていくのは難しい

競争を勝ち抜き、フリーランスとして収入を得るにはそれなりに大変だということがお分かりいただけたと思います。それはつまり、最初からフリーランス一本でやっていくのはなかなか難しい、ということです。

ご覧の方で、現在何らかの収入を得ている、という方もきっと多いことでしょう。しかしそれをばっさり捨て、いきなりフリーランス一本にするというのは、大変リスクが大きいことを意味します。リスクは恐れすぎてもいけませんが、避けられるリスクは、避けるにこしたことはありません。という訳で、私がお勧めするフリーランスの始め方は、次のような方法です。

フリーランスの収入が0でもやっていける体制を

現在何らかの方法で収入を得ている方は、できる限りそれを維持することが重要だと思います。そして平行する形で、フリーランスを始めるのです。こうすれば、これまで通りの収入が約束されますから、リスクはほぼありません。フリーランスの収益が十分に安定してから、フリーランスにシフトすればいいでしょう(こちらも、いきなりではなく徐々にシフトできるのであれば、その方が低リスクです)。

簡単に言えば、リスクを承知で仕事を辞めフリーランスになるのではなく、まずは小さく始めるという方法です。いきなりフリーランスになるのは、特別な理由がある方や、よほど資金的に余裕のある方でないとお勧めできません。

そもそも、「小さく始めて大きく育てる」というのは、ビジネスをする上では鉄則とも言えることなのです。しかし、(特にお勤め中の)フリーランスに憧れる人にとっては、「早くフリーランスになって自由になりたい!」という気持ちが強くあるようで、忘れてしまいやすいようなんですね。

リスクを取ることが一概にだめだというわけではありませんが、まずはよく考えることが大事です。多くの人にとっては、できる限り現在の収入を維持するようにしたほうがいいと私は思います。

副業・週末起業でもいい!?

とは言っても、「自分は正社員をしているからなぁ」という方もいるのではないでしょうか。結論から言えば、許されるのであれば、最初はそれでもいいと思います。これは、俗に言う「副業・週末起業」という働き方ですね。副業・週末起業と言っても、やれば結構できるものです。

メールなら会社の休み時間や帰宅後に送れますし、電話は留守番電話にしておけばいいでしょう(固定電話を携帯に転送することもできますが、現在お勤めの会社に不利益が出るのでやめた方が無難です)。そもそも大抵はメールでやり取りをするので、それほど電話は重要ではありません。それに、電話をちょこちょこかけてくるお客さんはコストもかかるので、最初はお断りするのも一つの手です。

お客さんとの打合せ時間を確保するのだけが大変かもしれませんが、最初はそれほど多くないので、有給を使うなりして対処するのもいいかもしれません(そのために有給を残しておかなければいけませんね)。

ただし問題になるのは、会社が副業を認めていない場合です。会社が副業を認めていない場合は、残念ながら、同時にフリーランスの活動はできないということになります。念のため、会社の就業規則を確認してみるといいでしょう。

会社に迷惑をかけないように

フリーランスの活動と、会社の活動は全く別のものです。副業・週末起業と言っても、会社の活動に影響を与えることのないよう気をつけてください。具体的には、会社の業務時間内に(フリーランスの)電話を受けない、メールを書かない等といったことです。また、夜中にフリーランスの作業をしたせいで、昼間の生産力が落ちるというのも問題です。社会人としての基本的なマナーですので、気をつけてくださいね。

フリーランス一本にシフトする時期は!?

さて、それではいつになったら既存の仕事(収入源)からフリーランスにシフトしてもいいでしょうか。もちろん、それは各人の状況や考え方にもよりますので、一概に言うことはできません。しかし大まかな目安として、フリーランスを始める前に得ていた収入を参考にするといいでしょう。

フリーランスを始める前に得ていた収入を基準収入として、それ以上に多く稼げるようになればなるほど、リスクが下がります。個人的には、少なくとも基準収入の半分以上、できれば基準収入以上を安定して稼げるようになったら、フリーランス一本でもかなり安心できると思います。

ただし先ほどの通り、本当に安心できる金額というのは、人により異なります。

例えば、奥さんとお子さんをお持ちの40~50代の男性であれば、基準収入以上を安定して(できれば一年以上)稼げるようになってからのほうがいいでしょう。家族を路頭に迷わすわけにはいきませんからね。このケースでは、貯蓄もしておいた方が安心です。

主婦をされていて、最悪旦那さんの収入だけでもなんとかなる場合は、基準収入を大幅に下回っていてもいいかもしれません。冷静かつ論理的に考えれば、誰でも正当な判断ができると思いますので、慎重に検討してみてください。

フリーターや主婦をされている方が一番フリーランスになりやすい!?

こうやって考えてみると、お勤めの方がフリーランスを始める際や、フリーランスにシフトする際は、非常に慎重にならなければいけないことが分かります。

最後にお話ししておくと、それらの苦労が最も少なく、フリーランスになりやすいのは、フリーターや、旦那さんのお給料で生活している主婦の方かもしれません。

フリーターは勤務日時に比較的融通が利きますから、フリーランスの仕事が少ない内はバイトをたくさん入れ、フリーランスの仕事が多くなってきたらバイトを減らす、というようなことができます。これなら、例えフリーランスの収入が0でもやっていくことが可能です。

一言で言えば、柔軟なんですね。実際私がその通りのことをしたのですが、フリーターというのは本当にフリーランスと相性がいいと思います。そもそもフリーター=フリーランス・アルバイターの略ですから当然なのかもしれませんけれど。

もう一点、主婦をされている方で、旦那さんのお給料で生活している方もフリーランスは向いていると言えるでしょう。最初は収入がほとんど得られないと思いますが、収入0でも大丈夫なのですから、生活のリスクはありません。

これら二つの状況の方で、フリーランスをやってみたいという方は、始めるのに絶好の時代だと思います。興味があれば、是非チャレンジされるといいでしょう。

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