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フリーランスは楽しいことだけじゃない

フリーランスWebデザイナーという言葉は、人によっては何とも甘美な響きに聞こえるのではないでしょうか。自由に働けるし、煩わしい人間関係もない。やりようによってはお金も稼げそうだし、仕事ができそうだと思われる。それになにより楽しそう!……全てはあてはまらないとしても、同意できる部分がある方も多いと思います。

しかしここで注意していただきたいのは、これまでにお話ししてきた収入と同じで、過剰な期待を抱かない方がいいということです。当然ですが、フリーランスも楽しいことばかりではありません。一般的な会社員と同じような、苦労・問題・悩みもたくさんあります。

特に、「現状がイヤだからフリーランスになりたい」と考えている方は気をつけてください。現状に不満があると、そこから脱することができるかもしれない対象(フリーランス)が、非常に魅力的に見える場合があります。そんな状態で安易にフリーランスになってしまうと「こんなはずではなかった」ということにもなりかねません。ですので、フリーランスの良くない部分もきちんと知っておきましょう。

苦労や悩みの代表例

以下、フリーランスWebデザイナーに代表的な、苦労や悩みの種となる可能性があるものをご紹介します。人によって状況や感じ方が異なるため、誰もが当てはまるわけではなく、「そうなる可能性もある」というようなイメージでお読みください。

金銭的な問題

既存の収入源を維持しながら始める方はいいですが、そうでない方にとって、金銭的な問題はやはり大きな悩みの要因となります。

「売り上げが減った」「残りの資金がもうこれしかない」「来月仕事が取れなければ廃業だ」「営業用Webサイトのアクセスが落ちている」「問い合わせが減った」等など、これらは、直接的・間接的に金銭に関わることで、非常につらい状況です。

たまにであればいいですが、これが慢性化してしまい、常にいつパンク(廃業)するかわからない状況だと、精神的にかなりくるでしょう。会社員に比べて収入が不安定な、フリーランスならではの悩みと言えます。

肉体的な問題

フリーランスWebデザイナーにとって、PCの前に座っている時間は長時間に及びます。専業でやるなら、少なくとも1日7時間以上は座ることになるでしょう。人によっては、毎日10時間以上座る人もいるかもしれません。

そんな生活を続けていると、場合によっては目・腰・手などに違和感を感じることもあり、それが悩みの種になることがあります。

腰痛

フリーランスWebデザイナーは仕事中、長時間イスに腰掛けます。イスに座るという行為は、実は立っているときよりも、腰に負荷がかかるのだそう。そのため、腰痛になってしまう可能性があるのです。

実際私も腰が痛くて、長時間座っていられなくなったことがありました。忙しいときなどで無理していたときには、夜寝るときに腰がじんじんと傷んで、眠りが阻害されたこともあった程です。個人差もあると思いますが、私の場合は良いイスを使い続けることによって、今では解消しました。

ドライアイ・視力低下・充血

Web制作中、必然的にモニタと長時間にらめっこすることになります。そのため、場合によってはドライアイや、疲れ目、視力低下、充血などが発生する場合があります。

私も以前、慢性的な疲れ目になってしまって、長時間作業ができなくなったことがありました。目も充血しやすく、眼科に行ったほどです。それでも仕事は待ってはくれないので、藁にもすがる思いでモニタを変えたところ、いつの間にか治ってしまいました(ナナオのL997、高いですが、目の優しさは抜群のモニタです)。

手の腱鞘炎

これはよくニュースなどにもされていますが、最近「パソコン腱鞘炎」「マウス症候群」等という病名までついているほど、PCで作業する人にはこういった症状が発症することがあるようです。

これも個人的に体験しており、特にマウスホイールを回す中指がつらくなることが多かったです。その影響で、中指の負担を避けるため、無意識の内に人差し指や薬指でスクロールをし、負荷を分散させる癖までついてしまいました(笑)。人間の体というのはうまくできているものです。

とはいっても、これらに関しては、使っている道具等、環境によるところも多きいでしょうね。腱鞘炎対策として、私もできるだけ体に優しくするため、周辺環境には気を使っています。

運動不足による筋肉の減少・肥満

フリーランスはPCの前で仕事をするので、仕事中に動く(歩く)ことがあまりありません。打合せも無く、普通に1日仕事をしているだけの場合―しかも自宅兼事務所の場合は、きっと驚く程歩かないでしょう。したがって、意識して運動でもしない限り、どうしても運動不足に陥りやすくなります。運動不足が続くと筋肉も減り、基礎代謝も下がる。つまり太りやすくなってしまいます。

そもそも健康を保つには、1日最低5千歩、できれば1日1万歩とも言われます。筋肉を減らさないために、自衛手段が必要になってくるでしょう。私も1日1万歩を目標に、日々意図的に歩く時間を設けています。

納期

フリーランスとって、納期というのは何よりも優先されるものです。大げさに言えば、「死んでも守らなければならない」くらいの気持ちでいなければなりません。これが、結構な苦労や、プレッシャーにつながることもあります。

一番辛いのは、「納期まであと3日なのに、このままじゃ終わらないかも。どうしよう!」というような状況です。私は前倒して仕事を完了させるタイプなので、これまで1度くらいしか思い当たりませんが、その時はかなりのプレッシャーでした(もちろん間に合わせましたよ!)。

納期がない案件など通常ありえませんから、フリーランスは常にこの納期に追われ続けることになります。

孤独

フリーランスは、基本的には一人で仕事をします。ですので、自分から積極的に仲間を作ったり、人脈を増やしたりしないと、孤独状態になってしまうことがあります。極端な例を挙げれば、一人暮らしで、友達や彼氏・彼女もいないフリーランスの場合、1日の内に誰とも口をきかなくなってしまう可能性すらあります。

これは極端だとしても、もくもくと一人で仕事をしていることが多いのは事実ですから、会社員Webデザイナーと比べると、話をする機会が少なくなることは間違いありません。

最初は静かでいいと思うかもしれませんが、賑やかな環境が好きな方にとっては、時に孤独を感じてしまう場合もあるのではないかと思います。

人間関係

意外に思われるかもしれませんが、フリーランスには人付き合いが欠かせません。これが、人によっては大きな悩みの種になってしまうこともあるでしょう。これに関しては、じっくりお話ししたいので、このページ内で後述します。

フリーランスは自由気ままではない

フリーランスは自由に仕事ができるから魅力を感じる!という方は多いことでしょう。私もそれは、フリーランスの醍醐味の一つだと思います。しかし誤解されている方も多いと思いますが、自由とはいっても“自由気まま的な自由”ではありません。そのあたりを誤解の無いように、しっかりと認識しておきましょう。

責任や社会的常識の上にある自由

フリーランスとして看板をあげれば、業務上、いろいろとやらなければならないことも多くなります。電話が鳴れば出なければなりませんし、メールにも素早い回答が望まれます。呼ばれれば出向かなければなりませんし、納期もあります。やりたくない仕事をやらざるをえないこともあります。業務上、実質は断れない付き合いもあります。

たしかにフリーランスは自由です。しかし、ビジネスを行う者としての責任や、社会的常識の上での自由だと言うことを忘れないでください。

完全に自由、つまり自分のやりたいときにやりたいだけ仕事をするような姿勢では、どうやってもお客さんの信頼は得られません。電話をしても出ないことがしょっちゅう、メールも3日後に返ってくる、呼んでもなかなか来てくれない、納期を守らない、仕事を選り好みする(時に悪いことではありませんが)、付き合いが悪い。こんなことでは、フリーランスとして成功するのは難しいでしょう。

フリーランスはお客さんあってこその商売です。そのためには、時に自由が制限される場合もあるということを覚えておいてください。

自由も慣れるもの。過大な期待は禁物

私は、自由の感じ方には個人差があると思います。中には上記を見ても「そんなのは全然大丈夫!今の仕事よりは断然自由だし」と思われる方もいるかもしれません。

おそらく現状と比較して、感じ方はだいぶ異なるのでしょう。例えば現在会社員で、まったく自由がない方にとっては、フリーランスはかなり自由に感じると思います。

しかし、それも慣れてしまうものです。最初は自由を満喫できるかもしれませんが、それに慣れてしまうと、売り上げが上がってきた際、自由がどんどん制限されるように感じることがあります。電話が鳴るかもしれないから、営業時間中は事務所にいなければならないとか、メールをすぐ返さなきゃならないとか、この日は打合せ○件もあるだとか、小さなことでも自由が制限されているように感じることもあります。

慣れとは時に恐ろしいもので、一度慣れてしまうと、さらなる自由を欲してしまうものなのかもしれません。フリーランスは比較的自由な働き方だとは思いますが、慣れてしまう日がきっときます。自由に対して、あまり過剰に期待しすぎないようにしておいた方がいいのかもしれません。

人付き合いは避けられない

会社で人との付き合いに嫌気がさしたから、一人で自由に働けるフリーランスになりたい。これも、フリーランス志望者の中で、比較的よくある動機の一つです。

たしかにフリーランスは一人で仕事をするので、会社のように、社内の派閥に巻き込まれたり、上司の顔色をうかがったりする必要はありません。 しかし結論から言えば、フリーランスは人付き合いが避けられません。

それは、お客さんとの付き合いです。フリーランスは自分が営業担当も兼ねるため、頻繁にお客さんとコミュニケーションをとります。直接会う・電話・メール等、コミュニケーションにはいろいろありますが、それを担当するのは常に自分自身なのです。

会社員と同じ!飲みはよくあります

それに、仕事以外での食事や飲みに誘われることも結構あります。仲良くなったお客さんであれば是非よろこんで!といったところですが、いつもそうとは限りません。苦手なタイプの人に誘われてしまうことだってあります(個人的には、幸いなことに苦手な人は滅多にいませんが)。

苦手なタイプの人に誘われると、これが結構大変なんです。「上手に断ればいいじゃないか」と思われるかもしれませが、さすがにそれは二度くらいまで。それ以上になると、避けていることが伝わってしまいかねません。円滑な関係を維持する目的上、どうしても断りづらいこともあるのです。

それに、会食しながら商談を行うケースもありますし、こういった席で親睦を深めるのもフリーランスには大切なことです。心理学的にいっても、接触回数は多ければ多い程好ましいもの(単純接触効果)。つまり食事や飲みは、お客さんとの関係を強化する、いわば営業行為といっても過言ではないのです。

異性のお客さんの場合

お客さんとの会食について、なかなか断りづらいことをお話ししました。ここで補足したいのは、異性のお客さんの場合です。明らかに異性の対象として誘われた場合は、気にすることなく断った方がいいと思います(ちなみに、「教えて!goo」でこんな内容の質問を見たことがあったので)。

例えそれで仕事がこなくなったとしても、そのようなお客さんと今後取引する面倒さと比べたらましです。特に女性の方で、男性のお客さんから誘われるケースが多いようですが、その場合は「申し訳ありません。お客様からのお誘いは全てお断りするようにしているんです。」でいいのではないでしょうか。

儲かれば儲かる程、人付き合いが増える

フリーランスに人付き合いが避けられないことはお話ししましたが、とはいっても、これが数社だけならたいしたことはありません。ですから最初の内は、それほど付き合いは多くないはずです。しかし、フリーランス活動が軌道に乗ると、取引先が増え、必然的に付き合いの量も増えてきます。

ですから、「人づきあいが苦手だからフリーランスになりたい」という動機の方は、フリーランスとして成功もしたいけれど、成功すればするほど人付き合いが増えるという状況に苦しむかもしれません。ですからそのような方にとっては、最初から、「フリーランスも人付き合いは避けられないもの」ということを肝に銘じておく必要があると思います。

……とはいっても、私もそういう口でした(^^;)。人からはそうは見えないと言われますが、私も人見知りですし、人付き合いは下手です。しかしそれらも慣れてしまうもので、しばらくフリーランスをやっていれば、どうってことなくなってしまいました(^^;)

ですので、人付き合いが苦手という方でも、フリーランスになれないということは全くありませんよ。

コメント

ロイ さん 2014年06月06日13時48分
はじめまして。検索からブログを拝見しました。
私も今年の四月からフリーランスとして活動を始めたばかりです。
おっしゃる通り一人で仕事が完結してしまうため、人と話す時間がへりました。
現在軽いよく鬱状態です。もはやネタですが笑
フリーランスの横のつながりを増やしたいなと最近考えているのですが、
そのような集まりや組織をご紹介頂くことは可能でしょうか?
不躾なお願いではございますが、ご検討頂けますと幸いです。
馬場誠 さん 2014年06月06日16時16分
ロイさん、はじめまして。

本当、話す量は減りますよね(^^;)

実は私はフリーランスの集まりなどに参加した経験が全く無く、大変恐縮なのですがそのあたりはあまり詳しくないです。

ただ、本サイトをはじめとする個人サイトや、自分の営業サイトなどから自然と連絡をいただくことが多く、そこからたくさんのフリーランサーとお会いすることができました。

私の場合はそれでリアルで仲良くしているフリーランスと複数知り合えたので、受動的な方法ではありますが、サイトのトラフィックが増えれば、自然とつながりも増えるのかもしれませんね。