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スキルの棚卸しと外注先候補の調査

2018年01月01日

前ページで目標について考えましたが、自分の感情や将来のことについてだったので、やや抽象的なものだとお感じになった方もいるかもしれません。これからは少しずつ、具体的なことについて考えていきましょう。次に考えるのは、スキル関連についてです。

あなたの現在のスキルは!?

ここで言うスキルとは、当然ながらあなたのWeb関連のスキルのこと。つまりは、商品やサービスを生み出すもととなるものです。

自分のスキルが分からずにフリーランス活動を開始するということは、提供できる商品・サービスもよく分からないままお店を始めるのと同じです。これではお客さんに売り込むことができませんよね。ですから、しっかりと自分のスキルの棚卸しをしておきましょう。

できること、得意なこと、優位性を明確に

まずは、あなたが今までWebを学んできた中で身につけたことや、得意なこと、他者と比較しての優位性を把握しておきましょう。「自分のことだから考えずとも自分が一番よく知っている!」と思われるかもしれませんが、改めて紙などに書きだしてみると、意外な面が見えてくることもあります。

考え方のポイントしては、以下のように分けて書きだしてみるといいと思います。

1.そこそこできること(商用レベル未満)

商用レベル、つまり「プロレベルまではいかないけれど、そこそこできること」を紙に書きだします。商用レベルに達しているか判断がつかない場合も、ここに入れておくといいでしょう。

この段階の「できること」は、実務で仕事として提供できるかは、案件によって変わってきます。簡単な案件・またはそれほどクオリティが求められない案件であれば積極的に請け、実務をこなしながら次に挙げる「2」になれるようにするといいと思います。

(例 JavaScript, PHP, イラスト制作, アイコン制作

2.できること(商用レベル以上)、得意なこと

商用レベルに達していると思うスキルを書きだします。これは、あなたのセールスポイントにもつながる重要な要素です。

現段階では得意なことが一つも無いという方もいると思いますが、それはそれでかまいません。ただし、早く一つでも2を作れるように学習しましょう。一般的なWebデザイナーにとっては、コーディングやデザインスキルが一番に商用レベルに達したい項目です。

(例 HTML/CSSコーディング, Webデザイン

3.優位性

他の一般的なWeb制作業者やフリーランスWebデザイナーと比べての優位性を書きだします。「2」の内容がそのまま優位性になることもありますが、それ以外でも優位性を打ち出せる場合もあります。

直接的なものでは、何かWebに関する資格を持っているなら、それは優位性として打ち出せるでしょう。ただしあまりに簡単に取得できる資格や、○○3級のような資格は優位性になりづらいかもしれません。

また、Webに直接関係しなくても、IT関連の資格があればそれも優位性になるでしょう(お客さんから見ても、なんだかすごそうに思われそうですし)。

その他には、あなたの趣味やWeb以外の知識もぜひ振り返ってみてください。例えばカメラが得意な人は、「撮影も併せて対応可能です」。英語が得意な方なら、「英語サイトも作れます」というのも優位性です。

様々な視点で自分を見つめると、意外な優位性が見つかる場合もあります。これも「2」と並んでセールスポイントにつながる可能性があるので、じっくりと考えてみましょう。

できないことを明確に

これからフリーランスを始める方の内、Web全般のスキルや知識について、自信がある方は少数派だと思います。そもそも昨今のWeb業界は実に様々な技術が使われており、自分一人で全てをこなすことなど到底できません。ですから、誰でもできないことがあるでしょう。

「アニメーション制作ができない」「サーバサイドスクリプトが書けない」「複雑なイラストが書けない」「サーバの設定ができない」等など、「できない」は一般的なWebデザイナーにとってはたくさんあると思います。

先ほどは得意なことを考えましたが、今度はその逆です。こういったできないことや、苦手なことを明確にしてみてください。

なぜそのようなことを考える必要があるかというと、できない仕事を易々と請けるわけにはいかないからです。お客さんはビジネスとしてあなたにWeb制作を依頼してきますから、請けた後に「やっぱりできませんでした」ではお話になりません。

ですから、「できること・得意なこと」以外に、「できないこと・苦手なこと」も考えておく方がいいのです。これにより、どんなことなら提供でき、どんなことなら提供できないかを明確にすることができます。

外注という大切な人的リソース

自分のスキルを棚卸しすることで、できることとできないことが明確になったと思います。ところで、もしその「できないこと」を頼まれそうになった場合、どう対処したらいいでしょうか。こういったことも、前もって考えておきたいところです。

断ることも大事……でももったいない!?

最も頭を使わずにできる簡単なことは、断ることでしょう。無責任なことはできませんから、たしかに時には断る勇気も必要です。しかし、出来ないこと全てを断るというのもまた考えものです。

それは「機会損失になるから」、といった単純な理由だけではありません。

「しかたがないから、この件は他社(他者)に依頼することにしよう」となってしまうことが、最も危惧されるところです。もし今まで定期的な依頼があったとしても、それがきっかけで他社とお客さんとの新たなパイプができてしまうとどうでしょう。

その他社が思いのほか優秀であれば、現在の仕事まで取られてしまう可能性もでてきます。第一お客さんから見ても、ワンストップ(一カ所でできるという意味)で対応してくれる業者の方が魅力的に見えるのは当然ですからね。

信頼できそうな外注先候補を探しておくとGood

そこで、断る以外の対応として一般的なものとして、人にやってもらうという方法があります。つまり、自分以外の人的リソースを利用することで、仕事を請けるのは自分で、実作業をするのは他のだれか、とするわけですね。

とはいっても、よほど儲かっているフリーランスでない限り、アルバイトや従業員などの人的リソースを有することは非常に難しいことです。したがって、必要が生じた際に都度依頼できるような対象、いわゆる外注先について検討しておくといいでしょう。

探し方としては、まずは自分の知り合い繋がりで、そういったことを頼める人がいないか探してみるといいと思います。というのも知り合い関連ならば素性も知れており、相手も不誠実なことはしづらいので、安心感があるからです。いろいろ融通をきかせてくれる場合もありますしね。

もし候補になりそうな知り合いがいる場合は、フリーランス活動を始める前に、一度コンタクトをとっておくといいでしょう。ただし、相手が本職でない場合は注意が必要です。ビジネスとして仕事を頼めそうか(品質に問題ないか、納期を守ってくれそうか、急な対応ができるか)は見極めなければならないところですね。

もしそういった知り合いがいない場合は、しかたがありません。今すぐ真剣に外注先を探す必要はありませんが、簡単に外注先候補を調査するくらいならしておいてもいいでしょう。ちなみに、なにを基準に調査するかですが、私は次の二点を重要なチェックポイントとしています。

距離

当然、距離的に近い業者がいいでです。こちらとしても、外注側からしても、距離が近い方が打合せもしやすくて便利だからです。近い方が、なんとなく安心もできますしね。

規模

規模的には、同じようにフリーランスで働いている方、もしくは小規模な業者がいいように感じています。というのも融通がきいたり、横の繋がりができ、のちのち仕事のやり取りが発生したりすることもあるからです。

Google等で検索して調べる

とまあ、こんな条件を前提として、Googleで[地名+ホームページ制作]等のキーワードで検索して調べます。しかし繰り返しますが、この場合(知り合い関連でない場合)は、現時点ではあくまで候補探しの調査程度で十分です。いざ必要になった際にコンタクトを取っても遅くはありませんしね。

勘の良い方はお気づきかも知れませんが、実はこれ、近隣のライバル状況の調査も兼ねています。自分の周辺エリアのWeb制作業者やフリーランスを知っておくことは決して損にはなりませんから、知り合い関連で外注先がある方でも、簡単にチェックしておくといいでしょう。

外注に頼りすぎないように

外注を使えば、「これでどんな仕事も請けられる♪」と思われるかもしれません。しかし、そう都合良くはいかないのが現実です。というのも、外注先への指示や納期などの調整・見積などが発生するので、自分でやるのとは異なり余計なコストも発生するからです。外注先の利益とこちらの利益を乗せると予想以上に高額になってしまうこともあり、見積自体が通らなかったり、仕方なく自分の利益を減らさざるを得ないこともあります。

また、自分がその分野についてある程度の知識を持っていないと、うまく外注先に指示を出せないということもあります。いずれにしても、外注は何でもできる魔法の裏技ではありませんので、あまり頼りすぎないように注意してください。(私も当初から、単純作業以外ではほとんど外注は使っていません)

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