どんなフリーランスになりたいですか?
フリーランスWebデザイナーというのは、ご存じの通りたいへん自由な働き方です。会社員のようにルールに縛られることもなく、何もかもが自分の思うがまま。しかしこの点が、多種多様のフリーランスのあり方が存在する大きな要因となっているのです。
同じフリーランスと言えど、働き方のスタイルが全く異なっていても不思議なことではありません。ですので、ただ何となくフリーランスをやってみようということでは具体性に欠けると言えます。まずはどんなフリーランスになりたいかを、考えてみるといいでしょう。
フリーランスは自分の意思で自由に働ける反面、物事の判断・決断をするシーンが非常に多いものです。こういった基礎となる部分をきちんと考えておけば、判断・決断時の軸にもなってくれることでしょう。
あなたがフリーランスになる目標は!?
私がもっとも重要だと思うのは、フリーランスになるための目標を考えることだと思います。何事にも言えることですが、目標が無ければ張り合いもありませんし、それに向かって一歩ずつ進んでいくこともできません。フリーランス活動の土台になる部分ですので、是非とも最初にしっかりと考えておきましょう。
明確でなくてもOK!
目標というと、ちょっと大げさに感じられた方もいるかもしれません。中には「そんなものないなぁ」「なんとなくなりたいだけだから」、という方もいるでしょう。もちろん明確な目標はあった方がいいのですが、誰もがそこまで明確な目標を持つ必要はないと思います。やっていくうちに、新たな目標が生まれることもありますしね。
現時点では、自分自身が思うこと、したいことを明確にできればそれでいいと思います(便宜上、ここではそれも広義の目標ということにします)。
フリーランスになりたいと考えたからには、少なくともその理由や、求めるもの、期待するものがあるはずですよね。それらを考えて、思いつくまま紙などに書きだしてみてください(具体的な目標がすでにあるという方も、無駄にはなりませんのでやってみてください)。
例を挙げれば、以下のようなことを考えている方が多いのではないでしょうか。
- とにかくお金を稼ぎたい
- 会社に頼らず、自分の手で収入を得られるようになりたい
- 将来法人化して会社を経営したい
- 自分が食べていけるだけの生活ができればいい
- やりがいを一番に考えたい
- 自分が好きなことで楽しく働きたい
- 家計の足しにできればいい
- 社会に参加している喜びを感じたい
- プライベートの時間を大切にしたい
- etc……
このような感じで、できるだけたくさんの項目を挙げてみてください。
それができたら、次は大まかで結構ですので、それらに優先順位を付けてみてください。優先順位がそれほど高くないものに関しては、厳密に順位を付けなくても、大体でもかまいません。
以上で完了です。
この中で優先順位の高いものが、あなたの当面の重要な目標ということになります。何か判断に迷ったときは、この目標&優先順位を基に考えれば、自然と答えが導き出せるようになると思います。
目標を決めると、判断の軸になる
たったこれだけのことで、なぜ判断の役に立つの!?と思われる方もいるかもしれませんので、少し具体的な例を挙げてみましょう。
営業時間
例えば営業時間を決める際のことを考えてみましょう。とにかくお金を稼ぎたいなら9:00~19:00で残業もあり、と決めるのがいいかもしれません。プライベートの時間を時間を大切にしたいのならば、10:00~17:00で残業は一切無しと決めることもできます。
クライアントとの付き合い方
例えばクライアントを選ぶ際(継続的に仕事を請けるか、お断りするか)のことを考えてみましょう。やりがいを重視したいのであれば、例え安くても自分をリスペクトしてくれるクライアントとだけ付き合う方が、幸せになれる可能性は高いでしょう。もしお金を稼ぎたいなら、利益が出るならば多少やっかいなクライアントでも、我慢することを選択するのも一案です。
何を学ぶか
例えば、これから自分が何を学ぶかの方向性を決める際のことを考えてみましょう。やりがいをもとめたり、好きなことで楽しく働きたいのであれば、自分が好きなことを学ぶのが一番です。お金を稼ぎたいなら、よりビジネスが円滑に進められるような、ビジネス視点で学ぶことを決める方がいいでしょう。
目標があれば、理にかなった選択が可能
いかがでしょうか。二分すると、お金orそれ以外のことを優先させるかになることが多いとは思いますが、目標があれば、理にかなった選択をするのに役立つことがお分かりいただけるでしょう。
ここではわずかしか例を挙げませんでしたが、目標や優先順位を明確にしておけば、フリーランス活動のほとんどのことに対応可能です。無駄に考える時間を減らすためにも、目標を考えることは本当に大事なことなのです。
どんな仕事をするフリーランスになりたい!?
ご存知のように、Web業界というのは、様々な仕事があります。例えば、Webデザイン・HTML/CSSコーディング・SEO・アニメーション制作・プログラミング・コンサルティングなどですね。 その他にも、サーバの保守管理、リスティング管理、ソーシャルメディア導入のサポート、アクセス解析結果の分析といった関連する業務もあります。
すでに実感されていると思いますが、これらの仕事は到底1人でどうにかなるようなものではなくなってきています。ですので、「全てを請け負います」という訳にもなかなかいかないのです。
したがって、自分は主に何をやりたいのか、どのような範囲で仕事をしたいのかを考えておくといいでしょう。なお、これも「自分の目標」を決めるという意味合いがあるので、今のスキルはとりあえず置いておき、“将来どのような仕事をしたいか”ということで考えてみてください。簡単に言えば、どんな自分になりたいか、ということですね。
二つのタイプ
どんな範囲で仕事をしたいのかは人それぞれ異なりますが、フリーランスは大きく分けると二つのタイプに分かれる傾向があるように思います(他に複合タイプもいます)。もちろんどちらになりたいかを決める必要はありません。将来のことを考える上での参考にしていただければ幸いです。
スペシャリストタイプ
スペシャリストタイプのフリーランスは、ある程度専門を絞って、その専門の中で高い価値を顧客に提供していく働き方です。例えば、「WebデザインとHTML/CSSコーディングだけしか仕事を請けないけれど、その道をとことん究めていく」というようなタイプです。
また、最近はさらに細分化して、特化したジャンルを土俵にしている人もいます。例えば、WordPressの構築専門だったり、HTML/CSSコーディング専門といった具合です。
人は何かを購入する際、何でも販売している百貨店タイプよりも、その分野に特化している専門店タイプの方を信頼する傾向があります。ビジネス上、いかに上手くアピールするかは難しいですが、特定の技術・分野が大好きという人には、こういった働き方もありだと思います。
- 好きな仕事に打ち込める
- その分野では信頼されやすい
- その分野のプロとして、メディアからのオファーが来る可能性はゼネラリストより高い
-
- 対応外の仕事を依頼されたときは、断るか、外注に頼る必要がある
- 知識が狭く深いタイプなので、広い視点での提案が難しい。
ゼネラリストタイプ
ゼネラリストタイプのフリーランスは、複数の分野において、一定以上の知識を持ち、分野を超えて仕事をこなしていく働き方です。「なんでもやりますよ~」という、いわば何でも屋に近いタイプです。
スペシャリストとは異なり、手広く仕事ができる点はメリットになりそうですが、それなりにこなせるようになるまではかなり時間がかかります。また、広く学ぶ分、どうしても一つの分野で突出したスキルは身につきづらくなります。
最低でも器用貧乏(1.5流くらいのことを言うそうです)以上になれればまだいいですが、下手をすればそれ以下の、すべて中途半端になってしまう可能性もあります。したがって、まずはフリーランスWebデザイナーの基本である、デザインとコーディングがある程度できるようになってからでないと、このタイプを目指すのは難しいです。
- 手広く仕事を請けられる(顧客を囲い込める)
- 外注を使う割合を減らせる
- 幅広い知識を活用して、視野の広い提案がしやすい。
- ある程度できるようになるまでに時間がかかる
- 下手をすると全て中途半端なスキルになる
- 特定のジャンルのスペシャリストにはかなわない。
目標は変わっていくもの。定期的に再確認を
さて、これまでに「どんなフリーランスになりたいのか」「どんな仕事をしたいのか」を考えてきました。すでにお話ししたように、フリーランスWebデザイナーとして働くにあたり、これはとても重要なことです。
しかしこの考えはあくまで現在の考えであり、これにこだわる必要は当然ありません。自分の考え・気持ちが変わった場合は、目標を修正してOKです。フリーランスをやっていると、目標や優先順位はどんどん変わってくるものなので、むしろ定期的に目標を再確認&修正した方がいいくらいです。
忙しくなるとそんなことも考えられなくなってくるもの(体験談)なので、フリーランスを始めたら、半年から一年に一度等と決めて、今回のようなことを考えてみるといいでしょう。
↓もし参考になりましたら、シェアしていただけると嬉しいです(^-^)